三大栄養素の体内での使われ方は異なるからカロリーだけ意識したダイエットは意味ないよ

糖質、脂質、タンパク質は、三大栄養素と呼ばれ、体内でエネルギーとして利用できます。三大栄養素がエネルギーとして使われた場合に消費する熱量は一般に1グラム当たり、糖質=4kcal、脂質=9kcal、タンパク質=4kcalとされています。

摂取したエネルギー量と消費したエネルギー量が同じであれば、体重は増えも減りもせず、摂取カロリーが多いと太り、消費カロリーが少ないと痩せるというのがダイエットの常識ですが、まあ、机上の空論ですよね。

三大栄養素の体内での使われ方は、エネルギー利用以外にもあり、現代のダイエットはこれを無視したものばかりです。そんなおかしな理屈でダイエットがうまくいくわけなかろう。

タンパク質は皮膚にもなれば筋肉にもなる

特におかしいのが、タンパク質を糖質や脂質と同列に扱っている点です。

タンパク質は、食べるとアミノ酸に分解されて腸から体内に吸収されます。そして、アミノ酸の一部は、体内で身体を構成するタンパク質として利用されます。例えば、皮膚はタンパク質でできていますから、古くなった皮膚がアカとなって剥がれ落ちても、アミノ酸からタンパク質を合成して新しい皮膚に交換されます。また、筋肉も、運動をした後に大きくなりますが、これも、食事で補給したタンパク質がアミノ酸にまでいったん分解された後、腸から吸収されて、筋肉を構成するタンパク質を合成するから起こる現象です。

このようなタンパク質(アミノ酸)の働きを考えれば、食べたタンパク質のカロリーが、消費カロリーを上回っていたからと言って、直ちに脂肪になって太るということは考えられません。

カロリーの理屈が当てはまりそうなのは糖質くらいだろう

一方、同じ4kcalである糖質の場合は、比較的、現代のダイエットの理屈に当てはまりそうです。

糖質はエネルギー利用されなかった分は中性脂肪として蓄えられやすい性質を持っているので、摂取カロリーが消費カロリーを上回れば、ぜい肉として身体に付きやすくなります。消費カロリーが摂取カロリーを上回れば、身体に蓄えたぜい肉(中性脂肪)を脂肪酸に分解し、その脂肪酸からエネルギーが作り出されます。

脂質も糖質と同じようにエネルギーとして利用されなかったものがぜい肉として蓄えられやすいですが、脂質にはコレステロールを合成したり、様々なホルモンの材料となったりするので、糖質よりも利用範囲が広い物質です。だから、脂質は、糖質ほどはぜい肉になりにくい性質を持っていると言えます。

カロリーよりも何を食べるかを意識する

こうやって見ていくと、同じカロリーでも、三大栄養素のバランスを変えることで太りやすくなったり痩せやすくなったりすることがわかると思います。

当然、摂取カロリーに占めるタンパク質や脂質の割合を高くした方が太りにくくなります。反対に糖質の摂取割合を高めると太りやすくなります。

現代ビジネスの以下の記事に興味深いことが書かれていました。

上の記事では、女性の場合、1食当たり500kcalの食事量にすると、ダイエットが成功しやすいとされています。ただ、500kcalと言っても、食品ごとに栄養成分が異なっているので、三大栄養素にビタミンとミネラルも含めた栄養バランスが良くなるように食べる必要があると解説されています。メロンパンだけで500kcal食べるのと、豚肉だけで500kcal食べるのは、同じ熱量ですが、豚肉の方が栄養バランスが良いのでダイエットを成功させやすくなることは言うまでもありません。

もっと言えば、ぜい肉になりやすい糖質をどれだけ減らせるかがダイエット成功のカギになります。糖質をタンパク質や脂質に置き換えれば、さらに栄養バランスが良くなりますから、ダイエット意外に健康面でも良い結果が出るのは明らかです。

ダイエットに取り組む際は、カロリーだけでなく、食べ物の質も考えた方が良いですよ。